370年以上の歴史を持つ富山県南砺市の福野夜高祭が1日、福野地域中心部で始まった。祭りを伝承する全7町が、大中小の夜高行燈(あんどん)計18基を「ヨイヤサー」のかけ声に合わせて勇壮に練り回し、詰めかけた大勢の見物客を魅了した。2日まで。

 7町の行燈は夕暮れとともに福野地域中心部の通称「銀行四ツ角」を出発。福野神明社を経由して各町を回った。笛や太鼓、拍子木の音が鳴り響く中、高さ約6・5メートルの極彩色の大行燈が若衆の威勢のいいかけ声とともに通りを回り、まちなかを熱気に包んだ。

 砺波市東石丸から夫婦で訪れた吉田直人さん(55)と恵美さん(53)は「狭い路地を練り回るので、迫力がすごい」と興奮した様子で話した。

 福野夜高祭は、1652(慶安5)年の大火で焼け落ちた町を再興する際、行燈をともして伊勢神宮の御分霊を神明社に迎えたことが起源とされる。県指定無形民俗文化財で、日本ユネスコ協会連盟の「プロジェクト未来遺産」にも認定されている。

 2日は行燈を練り回した後、若連中が相手方の行燈を壊し合う引き合い(けんか)を行う。

大行燈は七津屋、小行燈が浦町 夜高コンクール最優秀賞

 福野夜高祭の行燈の出来栄えを競う「優美・勇壮夜高行燈コンクール」(北日本新聞社後援)が1日行われ、大行燈は七津屋、小行燈は浦町がそれぞれ最優秀賞に輝いた。

 ◇大行燈▽優秀賞=浦町▽優良賞=御蔵町▽佳良賞=新町、辰巳町、横町、上町◇小行燈▽優秀賞=新町、七津屋▽優良賞=御蔵町、辰巳町、横町、上町