ゴールドウインは25日、2027年初夏に富山県南砺市城端地域で開業する自然体験施設「プレイアースパーク」の具体的な内容を発表した。桜ケ池の北側約40ヘクタールの敷地に三つのエリアを設け、豊かな自然を感じながら過ごせる宿泊施設や大型の遊具、キャンプ場、レストランなどを造る。1年を通じて営業し、年間100万~150万人の来場を見込んでいる。
渡辺貴生社長が都内の本社で記者会見を開き、説明した。田中幹夫南砺市長、プロジェクトに参加している建築家らが同席した。
施設の玄関口になるのがプラザ棟で、延べ床面積は約2900平方メートル。同社の商品や地元の工芸品を販売するショップを設ける。
三つのエリア名は、「パーク」「フォレスト」「ガーデン」。パークには「子どもの野性の解放」をテーマに大型遊具を造る。円形で周遊でき、延べ床面積は約1400平方メートル。地形の起伏を生かした7メートルの高低差があり、子どもたちが登ったり滑ったりして遊ぶことができる。
フォレストには、地上約20メートルの展望台とコテージ5棟を建設する。展望台は砺波平野から富山湾まで見渡せるほか、地下階でガラス越しに土中の植物の根や虫を観察できる。コテージは周辺の森に点在させ、森に滞在しながら動植物を観察する拠点にしてもらう。
ガーデンの一帯は多年草を中心に、サクラやフジ、ススキなど季節を彩る植物を配し、湿地や池もある。隣接地に食事やサウナを楽しめる宿泊施設のヴィラ6棟、レストラン1棟、キャンプ場などを整備。桜ケ池でのカヌー体験ができるアクティビティセンターも造る。地域の食をテーマにした施設も複数設ける予定。
渡辺社長は「多様な生物が共生する自然環境で、子どもたちが好奇心のままに遊び、原体験となるような機会を提供したい」などと抱負を述べた。田中市長は「地元の期待は大きい。市を挙げて事業を応援していく」と話した。
5月に造成工事を始め、今秋から建築工事に入る。完成は2027年春の予定。総投資額は算定中とした。当初は26年の開業を予定していたが、能登半島地震の影響でずれ込んだ。