来年春に富山県朝日町で稼働する陸上養殖工場で生産されるウニが、大手回転ずしチェーン「スシロー」に供給されることになった。これに合わせ、店舗運営会社のあきんどスシロー(大阪)が企業版ふるさと納税で同町に寄付金を贈った。新居耕平社長が4日、町役場を訪れ「魚を扱う企業として水産業の発展に協力したい」と述べた。
あきんどスシローを傘下に持つフード&ライフカンパニーズ(大阪)は昨年7月、ウニの陸上養殖を手がけるウニノミクス(東京)の親会社と資本提携を結んだ。ウニノミクスが同町で新設する工場で生産するウニを一定量仕入れることが決まったことから寄付を申し出た。
4日は寄付の感謝状贈呈式があり、笹原靖直町長が「ウニでつながったご縁を生かし、朝日町に関わってもらいたい」とあいさつ。新居社長は「すしビジネスが成立するのは海のおかげ。持続可能な水産業に向けて取り組みたい」と語った。社員らを養殖工場に招き、海洋環境を学ぶ機会をつくる構想も示した。
ウニノミクスは、磯焼け対策で駆除したウニを漁業者から買い取り、独自の「畜養システム」で飼育して販売している。同町に工場3棟を順次建設する予定で、完成後に年間360トンを見込んでいる生産量は、陸上養殖施設としては世界最大規模となる。