伝統工芸高岡銅器振興協同組合(伝振協、竹中伸行理事長)は、創立50周年を記念し、鋳銅製の実物大のすしのオブジェを作った。富山県の高岡市美術館と高岡駅で常設展示するほか、大阪・関西万博でも披露し、高岡の職人技術を広くアピールする。26日、市美術館で披露した。
オブジェはホタルイカやブリなど10貫分あり、白銅を素材とした。実際に職人が握ったすしをかたどった原型を基に鋳造。仕上げの後、塗装ではなく薬品による化学変化で表面を変色させて金属らしさを残しつつ、漆と顔料で加色したり、金箔や銀箔を貼り付けたりして色味や質感を実物に近づけた。酢飯の部分はあえて着色せず、白銅そのものの色を生かした。富山県の形をした青銅製のプレートにのせている。
組合員を中心とした市内の6社が約1年かけて完成させた。5セットあり、市美術館と高岡駅の観光案内所前で展示する。
6月には大阪・関西万博で披露し、国内外に技術力や富山のすしを発信する。
竹中理事長は「高岡銅器の可能性を多くの人に感じ取ってもらいたい」と話した。
伝振協は1974年に発足。高岡銅器の全業種で組織し、現在は139の事業所・個人が加盟する。