大相撲の音羽山部屋に入門する富山市出身の浦山秀誠(しゅうせい)(22)が25日、母校の富山商業高校を訪れ、恩師や後輩らの激励を受けた。幕下最下位格付け出しとしてデビューする5月の夏場所に向け「富商魂で日々精進する。ファンや地元の皆さんに愛される力士になりたい」と決意を語った。当面のしこ名は本名の「浦山」になるという。(野村達也)
強豪の近畿大を卒業したばかりの浦山は4月から東京都内の音羽山部屋で生活し、稽古を始める。「自分の力がどれだけ通用するのか、不安と楽しみが半々」と心境を明かした。
母校に来て、主要大会が新型コロナウイルス禍で中止になった高校3年時の悔しさを思い出したという。ただ「その分、大学でやり切れた」と断言する。
富山市呉羽中学校から近大まで同門の先輩、朝乃山(同市出身)は夏場所で幕下上位となる見通し。浦山は「番付が離れているのでまだ当たる可能性は低い」としつつ、「胸を借りるつもりでやる」と将来の対戦を心待ちにした。
現役時代、技巧派として活躍した師匠の音羽山親方(元横綱鶴竜)の下で鍛えていく。「これまでの前に出る相撲を生かしながら、親方の技術を学びたい」と向上心をにじませた。
富山商高の恩師らは温かいエールを送った。相撲部で3年間指導した上田龍弘監督(36)は「(角界入りは)うれしい。勇気の要る決断だっただろう。けがに気を付けて、自分の相撲を磨いてほしい」と背中を押す。主将の林颯馬さん(1年)は昨年6月、浦山が同校で教育実習をしていた際に胸を合わせた。「稽古は厳しく、普段は優しい尊敬する存在。自分も頑張る」と刺激を受けていた。
宮池秀洋校長(57)はその教育実習を振り返り「真面目で誠実な人柄。一場所でも早く、まずは十両に上がることを楽しみにしている」と期待を寄せた。
浦山は、同校相撲部の元監督で朝乃山も指導した故英樹さんの長男。身長183センチ、体重170キロの体格から繰り出す押し相撲が持ち味だ。近大では主将を務め、昨年11月の全国学生選手権個人戦で8強入りし、幕下付け出し資格を得た。