米菓メーカー、日の出屋製菓産業(富山県南砺市田中・福光、川合洋平社長)が米国市場向けに開発した「しろえびせんべい」が、現地で人気を集めている。和食中心ブランド「久世福(くぜふく)商店」とのコラボで、2024年夏から大手量販店で販売されたのに続き、同年12月から有名テーマパークでも扱われている。今後は地場スーパー向けに自社製品の展開を目指す。

 富山のシロエビ、コメ、水を使った「しろえびせんべい」は、ことし創業101周年を迎えた同社の主力商品。2018年から海外輸出を始め、現在はアジアを中心に15カ国で展開している。米国では、20年から日本食を扱う日系スーパーで「しろえび小判」を販売してきた。

 米国での新たな販路拡大を模索していたところ、「久世福商店」を展開し現地で販売実績があるサンクゼール(長野)とのコラボレーションの話が舞い込んだ。

 同社の高い商品力や企業理念に川合社長が共感し、共同で商品開発を進め、24年夏から大手量販店で売り出した。

 米国ではエビを使ったお菓子は「シュリンプチップス」として元々人気が高く、シロエビを使ったコラボ商品も「高付加価値のシュリンプチップス」として浸透。1パック20袋入りを8千個出荷し、好評で完売した。

 人気を受けて、昨年12月からはテーマパークや日系の生活雑貨専門店でも扱われている。

 さらなる販路拡大に向け、次に挑むのが現地のスーパーでの自社商品の販売だ。米国人がより好む味を探るため、現地で試食会を行ったところ、てりやきやビネガーなどの風味に味付けしたものではなく、日本国内で販売しているのと同じ味が「シロエビの香りがしっかりしておいしい」と高い評価を受けたという。

 現地デザイナーが手がけた米国専用パッケージを用い、今秋を目標に西海岸のスーパーで売り出す予定だ。川合社長は「ローカル(地方)の会社でも世界で通用すると感じた。富山の素材を使い、富山で作った商品で新たな挑戦をしたい」と話す。