富山県高岡市の中心市街地活性化に向け、市は2025年度、人々が訪れるきっかけづくりや、滞在時間の拡大につながる事業を進める。市営御旅屋駐車場の無料利用時間を現行の1時間から2時間に延長。家族や友人同士でバーベキューを楽しめる場所や、親子連れが雨でも体を動かせる広場も設けて人を呼び込み、にぎわいを周辺商店や観光地へ波及させたい考えだ。
21日に発表した25年度当初予算案に関連事業費を盛り込んだ。
御旅屋駐車場は24時間利用可能で、現在は終日1時間無料、それを超えた分は料金を徴収している。市は利用者の日中のまちなか滞在時間を延ばすため、4月から、午前8時半~午後5時半に入庫した場合に限り2時間まで無料とする。試験的に2年間続け、効果を検証する。
この駐車場には300万円を投じて電動レンタサイクル十数台と自転車置き場を導入。周辺商店や観光地への回遊性を高める。
近くの御旅屋セリオ屋上のスカイガーデンでは、炊事場の設置やウッドデッキの更新、芝の敷設といった改修が進められており、夏休み前に利用できるようになる見込み。民間事業者がバーベキューのサービスを提供する計画で、かつて行われていた子ども向けキャンプや天体観測イベントも復活させる。
子どもの屋内運動スペースは御旅屋セリオ3階に既設のオタヤ子ども広場の横に「こどもうんどう広場」として開設する。鉄棒や跳び箱などを用意し、園児や小学生を対象に運動教室を開く計画。市役所入庁10年前後の職員でつくる「高岡市営業部」が開設を提案した。事業費は212万円。
21日に記者会見した角田悠紀市長は、御旅屋駐車場の無料利用時間を延ばす狙いについて、時間に追われることなく余裕を持って中心市街地で過ごしてもらうことだとし「楽しんでもらえる仕掛けも商店街や民間と一緒につくっていきたい」とした。