富山県は18日、クマ出没に対応する人材育成に向けた研修会を砺波市役所で開いた。自治体職員や猟友会員、住民ら約40人が参加し、緊急時の対処法を学んだ。
クマは2024年、捕獲や調査を国が支援する「指定管理鳥獣」に追加された。研修会は環境省の交付金を活用し、県として初めて企画した。
鳥獣被害対策のコンサルティングなどを行う野生鳥獣対策連携センター(兵庫県)の上田剛平取締役が講師を務め、クマの生態や出没時の対応事例を紹介した。クマの痕跡をいち早く発見するのは地域住民だとし、被害を防ぐためには住民から市町村や警察への素早い通報が必要と強調。マニュアルを整備し、関係者間の役割分担や情報共有の流れを明確にしておくことが大切だと説明した。後半では、出席者が地域のクマ対策の課題を意見交換した。
県は今後、19日に魚津市で、20日に立山町で同様の研修会を行う。県自然保護課の中島剛係長は「クマが冬眠から目覚める前に対策を進めるきっかけにしてほしい」と話した。