富山県高岡市太田の雨晴海岸にある「義経岩」に、黒色のペンで書かれたとみられる落書きが見つかり、高岡市が12日、除去した。平安、鎌倉時代の武将、源義経が雨宿りした伝説が残る義経岩は、県内有数の観光スポットだけに、関係者から憤りの声が上がっている。

 市は、10日夕方に外部からの情報提供を受け被害を把握した。落書きが見つかったのは、義経岩を風化や浸食から保護するために補強する「擬岩(ぎがん)」の一部。擬岩はコンクリート系の素材に塗装を施したもので、直近では2021年に再塗装を行っている。

 義経岩は、15年に「有磯海」の一部として国名勝「おくのほそ道の風景地」に指定された。同所は海越しに立山連峰を望むことができ、国内外から観光客が訪れている。雨晴観光協会の早木康満会長は「大切に守ってきた場所に落書きされ、あきれた。二度と起きないでほしい」と話した。