富山県の立山黒部アルペンルートの除雪作業が11日、立山町芦峅寺の藤橋(標高475メートル)から始まった。4日以降の大雪の影響で作業開始は2度延期され、当初の予定から4日間遅れて着手。ルート内の積雪は過去10年で最も多く、4月15日の全線開通に向けて作業を急ぐ。

 除雪は、県や立山黒部貫光などでつくる立山ルート除雪組合が実施。作業は古栃建設(滑川市)が請け負い、藤橋から室堂(標高2450メートル)までの総延長31・3キロを除雪する。今月7日に始める計画だったが、大雪の影響で同社が市街地の除雪に追われたため、着手を遅らせた。

 立山有料道路管理事務所によると、藤橋の積雪は11日時点で過去10年の平均より0・9メートル多い2・1メートル、室堂は10日時点で1・6メートル多い7・4メートル。いずれも過去10年で最も多い。

 11日は2人の作業員がロータリー車1台で除雪に当たった。今後、計22台の除雪車を投入し、約2カ月かけて除雪する。

 同事務所の橋本暁所長は、米ニューヨーク・タイムズ紙の「2025年に行くべき52カ所」に富山市が選ばれたことを挙げ「今年はチャンスの年。インバウンド(訪日客)も含めて、多くの人に来てほしい」と話した。