球春到来を前に、富山県南砺市福光地域で木製バットの生産が最盛期を迎えている。幼児用からプロ野球選手用まで幅広く手がける同市開発のエスオースポーツ工業では、28日も職人が木材を削り、長さや太さ、重さを慎重に調整していた。

 同社はオーダーメードを中心に年間約1万本を作っている。2月からはプロ野球の各球団のほか、社会人や大学のチームもキャンプを始めるため、この時期が一年で最も忙しい。

 代表取締役の中塚陸歩さん(35)は「お客さんのイメージに沿ってゼロから形を作れるのが手削りの強み。使ってくれる人の顔を思い浮かべながら、良い結果が出るようにと気持ちを込めて仕上げている」と話した。