4月に開幕する大阪・関西万博に向け、県内の首長や伝統工芸関係者らによるシンポジウムが21日、富山市牛島新町のタワー111スカイホールで開かれた。「万博から世界へ。幸せ人口1000万を目指す富山県の戦略」をテーマに、すしや伝統工芸を通じて県の魅力を世界に発信し、国内外からの誘客につなげる可能性を探った。
万博は4月13日から大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)を会場に半年間開かれ、国内外から約2820万人の来場を見込む。期間中は週ごとにテーマが定められ、県は「健康とウェルビーイング」が催される6月27~29日に出展する。
シンポジウムは機運を高めようと開催し、約200人が出席した。2部制で、前半は「万博で広がる富山の魅力。寿司(すし)で描く県のビジョン」をテーマに、新田八朗知事、万博テーマ事業プロデューサーでアニメーション監督の河森正治さん(南砺市出身)、東京すしアカデミーの福江誠社長(小矢部市出身)が登壇した。知事は県のブランディング戦略「寿司といえば、富山」をアピールするため、会場にすしの試食コーナーのほか、立山連峰から富山湾の深海まで標高差約4千メートルの地形を体感できるブースを設けると説明した。
後半は河森さんのほか、全国の市区町村長でつくる万博首長連合会長代行の田中幹夫南砺市長、高岡市の鋳物メーカー、能作の能作千春社長、立山町の和紙職人、川原隆邦さんがトークセッションした。
田中市長らは、地域に根付いた伝統産業の魅力発信など万博に出展する目的を説明。河森さんは「伝統と外の刺激がぶつかると、新しい物が生み出される。万博はそういう場所になる」と語った。
シンポジウムは、内閣官房国際博覧会推進本部事務局主催、北日本新聞社共催。