富山県高岡市の映画監督、金森正晃さん(44)が脚本、監督を務めたドラマ「鈍色(にびいろ)ショコラヴィレ」のストーリーが2025年度の中学1年の道徳教科書に採用された。金沢市の洋菓子店を舞台に、進路に悩む高校生を描いた内容で、金森さんは「少しでも地域の役に立ててうれしい」と話す。

 ドラマは、チョコレートの消費が全国一の金沢市を「ショコラの街」として盛り上げたいと実行委員会がプロデュース。元モーニング娘。の新垣里沙さんの主演で、実在の洋菓子店5店をモチーフに短編5話を制作し、22年に北陸放送で放送された。ユーチューブでも配信している。

 放送直後に日本教科書(東京)から掲載の話が舞い込んだ。父の店の跡継ぎ問題や進学に悩む娘を題材にした第2話「ロンシャンのアンジュ」の脚本を基に文を構成し、文部科学省の検定にも合格した。

 「複雑に揺れる心情を描いて評価してもらった」と金森さん。「地域の課題を取り上げ、自分なりにエンターテインメントにするのが好き。さらに自信を持って、地域を元気にする取り組みとして活用してもらえるように活動したい」と話した。