ゴールドウインは、2025年大阪・関西万博のシグネチャーパビリオンでアテンダントスタッフが着用するユニホームを製作した。富山県小矢部市の拠点テック・ラボで研究開発した新素材を使い、会期中の暑さ対策を講じた。12日、都内の本社で発表会を開いた。
ユニホームが採用されるパビリオンは、慶応大の宮田裕章教授がテーマ事業プロデューサーを務め、生態系のつながりの中で共に未来を考える体験をしてもらう。森と構造物が一体となり、天井や壁がない。
スタッフは終日、屋外にいるため、夏の暑さ対策が課題だった。同社は、紫外線遮蔽(しゃへい)率や太陽光反射率を高めた新しい生地を素材メーカーの東レ(東京)と共同開発し、体感温度の低減を実現。環境に配慮し、使用済みペットボトルをリサイクルした糸を活用した。
デザインは木漏れ日をイメージ。ファッションデザイナーの中里唯馬氏が写真と点描画を合成した上で、AIによって全ての柄が異なるよう拡大、裁断した。袖下から脇までがファスナーで開き、風を通すことができるほか、ノースリーブにもなる。前立てや帯のようなベルトを付け、和服の要素も加えた。
発表会では、宮田教授と中里氏、ゴールドウインの新井元常務執行役員が帽子や上着、パンツ、雨具などを紹介。新井常務は「多くの国の人たちが気候や環境について考える機会になればいい」と話した。