システム開発の日本オープンシステムズ(富山市上本町、園博昭社長)は7日、地元の教育機関と商工会議所の会員企業をマッチングするクラウドシステムを開発したと発表した。ウェブ上で気軽にやりとりできるようにして産学連携のハードルを下げ、ニーズの掘り起こしと連携促進を図る。6月から北陸3県で運用を始めており、将来的には他地域への展開も見据える。
システム名は「Ocket(オケット)」。同社によると、産学連携に関するシステム開発は国内初。これまでの産学連携は実績のある研究者や企業に集中していたため、システムを利用することで、幅広い関係者が参画できる体制を整える。
企業がシステム上に案件の概要や予算規模を登録し、大学などの教職員が内容を確認。チャットでの質疑応答を経て対面のやりとりに移行する仕組みだ。企業側からは他社の登録内容を閲覧できないようにし、情報の秘匿性を担保した。
現在は北陸3県の6商議所と8教育機関が参加している。県内からは富山商工会議所、高岡商工会議所、富山大、県立大、富山福祉短大、富山情報ビジネス専門学校が加盟。システムの利用は有料で、成功報酬を設けていない。
富山市の富山商議所ビルで会見した園社長は「新たな領域への取り組みであり、多くの方に利用してもらいたい」と話した。富山商議所の上田祐正専務理事と県立大地域連携センターの神谷和秀所長が同席した。