とやま文芸散歩
杉が守（も）る約（つま）しき冬の家ひとつ暮るれば柚子の色の灯ともす　平岡和代

2024.12.18

とやま文芸散歩
喪の靴が冬蒲公英（たんぽぽ）に躓（つまず）いた　三箇（さんが）清美

2024.12.14

とやま文芸散歩
傷手負ふ身を峡の湯に浸すとき截（き）るがに蒼し冬の天狼星（シリウス）　佐野善雄

2024.12.11

とやま文芸散歩
加速する小さき足跡雪の原　長島順子

2024.12.05

とやま文芸散歩
取りかかるまでは遅いがペン持てば近況もろもろ書きたき賀状　寺島紀子

2024.12.04

とやま文芸散歩
四方からどんな鳥でも待つ冬木　森野稔

2024.11.28

とやま文芸散歩
平穏な暮らしに慣れて出る不満　木地久子

2024.11.27

とやま文芸散歩
腸内の菌に勤労感謝の日　川井城子

2024.11.21

とやま文芸散歩
「宗玄」とふ珠洲の銘酒を愛づるがに大地震（ない）の被災ひたに案ずる　上田洋一

2024.11.20

とやま文芸散歩
熊除けの鈴を鳴らして友来（きた）る　牧山美佐子

2024.11.16

とやま文芸散歩
夕焼けへ下校の子らのシルエット　朝山裕子

2024.11.13

とやま文芸散歩
イヤリング手許に様様（やうやう）持ちたるにこの身に一度も飾ることなく　森松さち子

2024.11.07

とやま文芸散歩
われからの鳴くや少年のイヤフォン　飯干ゆかり

2024.11.06

とやま文芸散歩
私にはまどろむ自由あの木には風に吹かれてたたずむ自由　松田由紀子

2024.10.31

とやま文芸散歩
ももとせの母をことほぐ菊日和　野中多佳子

2024.10.30

とやま文芸散歩
客をらぬコミュニティバス今日も行く空気運ぶと揶揄されながら　西村好美

2024.10.24

とやま文芸散歩
落葉踏む園児ら真似てつい本気　清水真智子

2024.10.23

とやま文芸散歩
耕して啄木の歌口ずさむ　木澤隆

2024.10.19