とやま文芸散歩
開け放つ仏事のあとの青田風　泉幸子

2025.07.02

とやま文芸散歩
夜の明けし宿の東に聳え立つ握りこぶし大の黒き剱岳　砂山信一

2025.06.26

とやま文芸散歩
救急車のそれからを聞く網戸越し　高橋せつ子

2025.06.25

とやま文芸散歩
平安の文に似ており句読点打たれぬメールと言葉を交わす　河田悦子

2025.06.19

とやま文芸散歩
朝刊を小脇に目高数へをり　布本美知子

2025.06.18

とやま文芸散歩
親思いの子から厳しいアドバイス　古賀純子

2025.06.12

とやま文芸散歩
蛍に開け放たれし庭の闇　田上眞知子

2025.06.11

とやま文芸散歩
コーヒーも母の小言もけだるさもホットミルクに溶かしたくなる　中嶋悠

2025.06.05

とやま文芸散歩
絵団扇（うちわ）の染みや遠き日の団欒（だんらん）　村田悦子

2025.06.04

とやま文芸散歩
麦畑モーゼのごときコンバイン　大坪尚子

2025.05.29

とやま文芸散歩
能登津軽羽前越中ゆきのなかに暮らせる友も歳重ねゐむ　上條雅通

2025.05.28

とやま文芸散歩
木製の改札を出て麦の秋　高木昭夫

2025.05.22

とやま文芸散歩
わが庵は草木気ままに花ひらき野鳥の来（き）鳴くすなはち花鳥居　廣川親義

2025.05.21

とやま文芸散歩
母の日や何があっても大丈夫　柄沢恭子

2025.05.15

とやま文芸散歩
立て続けに大福三個食べし夫 私も三個命日に食ぶ　法原洋子

2025.05.14

とやま文芸散歩
茶柱の立つ母の忌の新茶かな　富沢碧風

2025.05.08

とやま文芸散歩
神様はいるよ貴方に逢えたから　黒田留美子

2025.05.07

とやま文芸散歩
チューリップの丈は不揃いジャズ喫茶　三箇清美

2025.05.01