【福井県坂井市】先達の起業家3人が助言トーク

起業家育成のための応援コミュニティ「Start Hub SAKAI」の年度末イベントに集った参加者たち。最後に一同で記念撮影、坂井市の「S」をイメージしたポーズで「はい、チーズ」
西川順喜氏 「地方での起業が不利というのは、SNSで解消済み」
福井県坂井市内での起業を後押しする応援コミュニティ「Start Hub SAKAI」の年度末イベントとなる「Local Business Meet 2026」が3月9日、坂井市春江町の春江中コミュニティセンターで開かれた。「起業に興味がある」「市内で会社を始めてみたい」などの希望者や関係者ら約30人(オンライン参加9人)が参加。トークセッションでは、同市で河川漁協の業務効率化と河川の環境保全を、IT技術でカバーした新システムを導入したベンチャー企業「フィッシュパス」を立ち上げた西村成弘社長(50)ら3人が登壇し、大都市でなく地方で起業する意義や強みなどを自分自身の経験などを元に語り、参加者らは起業への意欲を高めていた。
「Start Hub SAKAI」は、起業家を目指す応援コミュニティであると同時に、起業候補生の情報交換や1次窓口の役割を持ち、運営は新規事業開発の支援などを行う「株式会社アルファドライブ」(東京都千代田)が、坂井市から事業を受託した。昨年7月のキックオフイベントを皮切りに、研修会などを開き活動してきた。
この日のイベントには、単に起業希望だけでなく、坂井市への移住も合わせて模索する県外からの参加者も数人あった。トークセッションに登壇したのは、西村社長のほか、坂井市三国町出身で、25歳の時に東京でネットビジネス「MOSH株式会社」を創業した籔和弥氏(35)や大阪出身で、公務員経験を経てヨガインストラクターをはじめ、単にヨガ指導にとどまらず空間デザインや講演活動、長野・軽井沢などでのコーヒー店展開など、ユニークな活動でクリエイターとして活躍する西川順喜氏(38)の3人。

トークで、スタートアップや起業を目指す参加者らに、アドバイスする(左から)西川氏、籔氏、西村氏の3氏
3人はそれぞれに個性的かつ行動的な起業家で、自分の経歴を元に、どのように会社や活動を立ち上げたのか、を中心に語った。起業に当たって「なぜ地方という選択肢だったのか」のテーマでは、西川氏が「店舗を借りたりするなら、経費的にも断然、地方の方が割安で有利」と話した上で、「都会に比べて地方で起業するのは不利というのは、もうSNSで解消済みだと思う。SNSで、地方にいても自分の世界観が発信できるし、地方におけるランニングコストの低さに僕はメリットと感じている」と語った。また籔氏は、司会者からの「人口が少ない地方で、営業活動をすることが不利ではないか」との問いに対し、「東京はお金と才能が集中しているところなので、確かにIT企業は集まる傾向にあるが、何も他人と同じことをやることはない。自然や農業をフィールドとする仕事は、東京より地方の方が向いている」と助言。
西村成弘氏 「アイデアから起業へ 支援機関の後押しがありがたかった」
同じ延長線で、西村氏はこう発言。「僕がビジネス相手にしている全国の河川の漁協は、もともと新幹線や飛行機でさーと行く場所にはない、河川の奥だから(笑)。ただ、自分が始めたフィッシュパスは、『福井の九頭竜川でこのシステムを始めました』という言葉が、相手によく響く。九頭竜川は鮎やサクラマスで全国の河川漁協には知られていて、そこでやっているならと信頼してくれた。福井県坂井市でこの事業を始めたことが僕にはよかった」。ケースによっては、地方に有利に働く場合もあると指摘した。
また起業に向けて「“最初の一歩”をどうやって踏み出すか」では、西村氏は「最初のアイデアをどう温めるか、アイデア段階で止まっていて…僕の場合、フィッシュパスの事業は、ふくい産業支援センターに相談し、いろいろアドバイスをもらったのが大きい。周囲にそういう熱心に味方になってくれる機関があるといい。背中を押してくれました」と語った。創業・起業のために今やっている仕事を辞めるかどうか悩んで、なかなか決断できない事態に陥ることについて、西川氏は「自分のやりたいことを、後回しにしない。やらない方が後悔すると考えるタイプなので、人生は短い、と思ったときに動かなかった時の方が怖い。そういう勇気が持てるかどうかだと思う」。また籔氏も「自分の熱量を捧げられるテーマをどう見つけられるかは大事。やりたいことを探す難しさもある。僕の場合、ある程度成功している事業をやめて、世界一周の旅に出て、それが起業を考えるきっかけになった。非日常的な体験も、やりたいことを見つけるきっかけになるかもしれない」などと助言していた。
坂井市商工労政課によると、「Start Hub SAKAI」には約60人の登録があり、来年度も引き続き、坂井市における起業のさまざまな支援、相談活動を続け、起業家の育成のためのコミュニティー形成を図る予定で、研修や起業アイデアのワークショップを計画している。さらなる登録希望者も受け付けている。問い合わせは、坂井市産業政策部商工労政課=☎0776-50-3153。
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