HIOKI
高速・多チャネル温度測定でEV・エネルギー開発を支援

 HIOKI(日置電機株式会社:長野県上田市、代表取締役社長:岡澤尊宏)は、2026年3月10日、当社のメモリハイロガーLR8450およびLR8450-01向けのサーミスターモジュール「U8557」およびワイヤレスサーミスターモジュール「LR8537」を発売しました。本製品は、自動車、産業機器、エネルギー分野において高まる「高速・多点(多チャネル)」の温度測定ニーズに応えるために開発されました。


サーミスターモジュールU8557(左), ワイヤレスサーミスターモジュールLR8537(右)


■ 開発の背景
 サーミスターは、自動車や家電、産業機器など幅広い分野で使用されている温度センサーです。特に自動車業界では、BEVやHEVといった電気自動車の普及に伴い、高効率化・高出力化・安全性向上を実現するための熱マネジメントが重要な開発テーマとなっています。バッテリーやモーターの温度管理・冷却性能の評価において、システムや試作機に設置されたサーミスターを活用した温度挙動評価の重要性が増しています。
 一方で、従来の測定手法では、多チャネル測定時の配線作業が煩雑であることや、測定速度、データ処理の負担が課題となっていました。当社はこれらの課題を解決するため、高速かつ多チャネルでのサーミスター測定を可能にする新しいモジュールを開発しました。

■ 製品概要
 U8557およびLR8537は、サーミスターと抵抗測定に対応した15チャネル入力の測定モジュールです。本製品は最大220kΩまでの抵抗測定に対応しており、50msの高速なデータ更新間隔と16bit A/Dの高分解能を両立しています。
 また、あらかじめサーミスターの抵抗値―温度特性をメモリハイロガーLR8450またはLR8450-01に登録しておくことで、測定した抵抗値を温度へと、リアルタイムに換算し記録できます。複数の特性式を設定できるため、メーカーを問わず市場に流通するさまざまなタイプのサーミスターを用いた測定に柔軟に対応します。
 拡張性においても優れた性能を発揮し、直結型のU8557をLR8450シリーズに4台接続することで最大60チャネル、ワイヤレス型のLR8537をLR8450-01と組み合わせることで最大165チャネルの多点測定を、すべて50msの高速周期で同時に実行できます。この測定速度は一般的なベンチトップ型デジタルマルチメータ(DMM)と比較して10倍以上も高速であり、バッテリーの充放電と温度を管理するバッテリーマネジメントシステム(BMS)の更新周期に同期したデータ取得を実現します。これにより、BMSの設計検証において精度の高い温度挙動解析が可能となります。さらに、本モジュールは熱電対モジュールなど、他のLR8450シリーズ用モジュールと混在して使用することも可能です。現場のニーズに合わせて異なる温度センサー方式を一つのシステムに統合し、柔軟かつ高度な計測環境を容易に構築できます。

■ 主な特長
・1モジュールあたり15チャネルのサーミスターおよび抵抗入力に対応
・最速50msのデータ更新間隔
・16bit A/D分解能
・抵抗測定範囲:2000Ω/20kΩ/200kΩ
・簡単かつ確実に配線できる押しボタン式端子台

■ 主な用途
・BEV/HEVバッテリー評価:温度分布解析、充放電時の温度変動解析
・BMS検証:サーミスター測定値とBMS挙動の相関確認
・モーター/インバーター評価:内部温度監視・耐久試験
・多点温度測定:過渡的な熱挙動の可視化
・ワイヤレス温度計測:配線困難環境での測定(LR8537)

■ 製品ラインアップと価格
・サーミスターモジュール U8557
メモリハイロガーLR8450、LR8450-01用の直結型モジュール。ベンチ据え置きやラックマウントなど、安定した試験環境に最適です。

・ワイヤレスサーミスターモジュール LR8537
メモリハイロガーLR8450-01用の無線LAN接続モジュール。ワイヤレス通信によるデータ転送に加え、AC電源またはバッテリー駆動に対応し、配線レスで自由度の高い温度測定環境を実現します。

■ 日置電機株式会社について
 日置電機は、開発、生産、販売・サービスまでを一貫して自社で行う電気計測器のメーカーです。電気計測器は、あらゆる産業の基盤となることから「産業のマザーツール」とも呼ばれ、日常の生活に欠かせない電気インフラの保全、生産ラインでの検査、さらには製品の研究開発まで、幅広い分野で重要な役割を担っています。1935年の創業以来、独自の電気計測技術を追求し、「測る」で社会課題の解決を支えています。
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