今年に入り、このようなニュースが相次ぎました。

   ×   ×   ×

 栃木、大分、熊本、大阪、福井、福島など各地で、主に中学・高校生同士とみられる暴行やいじめの様子を撮影した動画が、交流サイト(SNS)に投稿され拡散した。多くは学校の内外で撮られ、複数人に囲まれた被害者が、殴る蹴るや海に突き落とすといった行為を一方的に受ける内容だった。学校や教育委員会が当初把握していなかったり、報告が遅れたりしたケースもあり、いじめ重大事態に認定される事案が続出。一部は、加害者の逮捕や書類送検にまで発展した。

 文部科学省は緊急会議を開き、見過ごされたいじめや暴力行為の点検、警察との連携、情報モラル教育の徹底を全国の教委に求めた。一方、動画の拡散に伴う誹謗(ひぼう)中傷や個人情報流出といった二次被害も深刻化している。(共同通信の最近の配信記事を要約)

   ×   ×   ×

 目を背けたくなるような暴力の映像を見て、心を痛めた人も少なくないと思います。誰もがアクセスできるSNS上で拡散されたことにより、当事者・関係者だけでなく、直接関わりのない多くの人々までもが大きな衝撃を受けたのです。

 ▽デジタルタトゥーの恐怖

 一連の暴行動画の問題では、被害者や加害者がSNS上にさらされ、個人を特定される事態になりました。栃木や大分の学校で撮影された動画は、SNSの利用者を介在して爆発的に拡散されてしまいました。

 しかし、事実誤認や不正確な情報も混在し、問題の全体像の把握が進まないうちに、さらには被害者が望んでいるわけではないのに、衝撃的な動画が先行し、猛スピードで拡散してしまう危険性を露呈しました。

 福井県立高校の暴力動画拡散では、学校側が2023年に撮影されたものと説明。関係者は現在在籍しておらず、動画拡散を受けて被害者、加害者の双方が警察に相談したほか、最初に動画を配信した人物に被害者側が削除を依頼したといいます。

残り2069文字(全文:2878文字)