応募総数 2619人
北日本新聞の読者が選ぶ「2025 県内10大ニュース」が決まった。1位は、クマの相次ぐ出没で県内各地で実施された「緊急銃猟でクマ駆除 県内初」だった。2位は「世界の魅力的旅先に富山 米NYタイムズ52選30番目」、3位は「カターレ J2残留」が入った。
6位に「備蓄米 県内で販売」、8位に「新米高騰 1.6倍」とコメに関する出来事も票を集めた。
応募総数は2619人で、はがきやwebunプラス投票ページで受け付けた。10項目すべての的中者は3人で、賞金3万円を贈呈。的中項目が多かった10人に惜敗賞、応募者全員の中から50人に記念品をそれぞれ抽選で贈る。
1位 緊急銃猟でクマ駆除 県内初(2001票)

10月23日、富山市熊野地区の住宅地で成獣のクマ1頭が出没し、市は自治体判断で発砲を認める「緊急銃猟」で駆除した。周辺の安全を確保した上で市長が許可し、猟友会員が草地に潜んでいたクマに発砲した。緊急銃猟による発砲・駆除は県内初、全国で5例目となった。
緊急銃猟は、市街地であっても住民の安全確保など一定の条件を満たした場合に、市町村長が緊急的に銃猟を認める制度。9月の改正鳥獣保護管理法施行を受け、運用が始まった。
県内では10月16日に富山市で初めて許可されて以降、5市町で計9件実施された。うち発砲は富山市2件、砺波、滑川、立山3市町各1件の5件で駆除と捕獲が行われた。
県内は今年、餌のドングリが不作となり、市街地へのクマの出没が相次いだ。出没件数は1千件を超え、過去10年で最多を記録。人身被害は計6人に上った。
2位 世界の魅力的旅先に富山 米NYタイムズ(1886票)

米有力紙ニューヨーク・タイムズ電子版は1月7日、世界の旅行先で「2025年に行くべき52カ所」を発表し、30番目に富山市を選んだ。市の魅力を「混雑を回避しながら、文化的な感動とグルメを楽しめる」と評価し、国内外からの観光客の増加につながるなど大きな影響をもたらした。
記事では市を「地震と集中豪雨で甚大な被害を受けた能登半島の玄関口で、復興途上ながらも観光客を魅了している」と説明。八尾町中心部の伝統行事「おわら風の盆」や現代ガラス芸術の拠点である市ガラス美術館(西町)、市中心部の飲食店5カ所を紹介した。
同美術館によると、今年2月~11月末の来館者は36万3277人で昨年同期の約1.6倍になったという。
3位 カターレJ2残留 最終節に劇的勝利(1683票)

サッカーのカターレ富山が、最終節で劇的なJ2残留を決めた。J3降格圏の18位で迎えた11月29日の秋田戦、3―1で迎えた後半追加タイムにMF亀田がゴール。残留に必須の3点差以上をつけて勝利し、17位の熊本が引き分けたため、最後の最後にドラマのような展開で富山に歓喜を運んだ。
11年ぶりのJ2は苦難の連続だった。スタートダッシュこそ成功したが、5節の今治戦から勝ちに見放された。5月末に小田切道治監督に代わり、安達亮監督が就任。ただ、勝ちなしはクラブワーストの16試合まで伸びた。34節の山口戦に敗れ、次戦から条件次第でJ3降格がちらつく厳しい状況で、36節から3連勝。大逆転でJ2残留をつかんだ。
4位 朝乃山 幕内復帰(1489票)

朝乃山が昨年7月の名古屋場所以来、約1年半ぶりに幕内に復帰した。大関経験者が2度の三段目転落を経て、再々入幕するのは史上初。2026年1月の初場所では東前頭16枚目として本土表に上がる。
左膝の大けがから今年3月の春場所に復帰した。三段目優勝を経て、順調に番付を上げた。関取に返り咲いた9月の秋場所では、優勝争いを演じて12勝3敗。西十両4枚目として臨んだ11月の九州場所も、負傷の影響を全く感じさせない朝乃山らしい相撲が復活。白星を積み重ね、12勝で幕内復帰を確実にしていた。
5位 富山39.8度 史上最高(1380票)

8月4日の県内はフェーン現象などの影響によって各地で厳しい暑さとなった。富山地方気象台によると、富山の最高気温は県内観測史上最高となる39・8度を記録。石川県小松市の40・3度に次いで、全国で2番目に暑かった。
同日の県内は高気圧に覆われて晴れた上、山を越えた風が熱を帯びて吹き下ろすフェーン現象が起こり、気温が上昇した。県内全10観測地点で35度以上の猛暑日となったほか、富山市秋ケ島(富山空港)で39・2度、氷見で37・7度を記録し、それぞれの地点で観測史上最高となった。
6位 備蓄米 県内で販売(1190票)

米価の高騰に歯止めをかけるため、政府は今年1月に備蓄米の制度を見直した。不作や災害時での運用を目的としていたが、流通に支障がある場合でも放出できるようになった。
県内では6月から随意契約で放出された備蓄米の販売が本格化した。富山市内のスーパーでは発売初日、2022年産の5キロ入りを240袋用意。価格は1袋2160円で、安価なコメを求める人たちが開店前から長い列をつくった。
この他にも完売する店舗が相次ぎ、手頃な価格のコメに対する消費者のニーズの高さがうかがえた。
7位 大阪・関西万博開幕 海外3館に富山の技(1186票)

4月13日から10月13日まで開かれた大阪・関西万博で、県内企業が3カ国のパビリオンの建設に携わった。独自の工法を生かして国ごとの文化を表現。富山の高い技術力を発信した。
木造建築設計のATA(滑川市北野)は、イタリア、フィリピン、インドネシアの3館の設計と建設を行った。木造船をイメージしたインドネシア館は、石川組(砺波市太郎丸)が施工、真栄工芸(富山市東老田)が外部装飾を担った。
万博会場ではこのほか、県のブランド戦略「寿司(すし)といえば、富山」を合言葉に冷凍すしを提供。和紙アートや伝統芸能など県内の文化もPRした。
8位 新米高騰1.6倍(1153票)

昨年夏から続く米価高騰は、今年になっても落ち着かなかった。8月下旬、県内のスーパーに並んだ県産米わせ品種「てんたかく」の新米の価格は5キロ4500円超で、昨年同期から約1・6倍に上がった。
一般的に、新米が出回る秋季は市場の供給量が増えるため店頭価格は下がる。ただ、12月に入ってもコシヒカリやてんたかくなどの銘柄米は4千円を切らない店が大半だ。
高値が続く原因は、昨年のコメ不足を受けた集荷競争の過熱。仕入れ値の高さが、足元の店頭価格に反映され続けている。
9位 未来富山 初の甲子園(1152票)

第107回全国高校野球選手権富山大会は7月26日、富山市民球場で決勝を行い、未来富山が高岡商に13―7で勝利し、創部8年目で春夏通じて初の甲子園出場を決めた。県内から通信制高校が甲子園に出場するのは初めて。
甲子園は2回戦から登場し、山口県代表の高川学園と対戦。一回に本塁打で先制したが中盤に相手打線につかまり5-8で敗れた。
地元の魚津市天神地区の住民らが激励壮行会を開いたほか、市内の他の高校の吹奏楽部員らで混成吹奏楽団を急きょ編成して、ナインを後押しした。
10位 県内大雪 人身被害相次ぐ(1007票)

県内は2月の上旬と下旬に強い寒気が流れ込み、大雪に見舞われた。観測地点の富山で4年ぶりに積雪が60センチを超えるなど記録的な降雪となった。
県のまとめでは、2月の雪による人的被害は死者3人、重軽傷者37人に上った。亡くなった3人は小矢部、魚津、富山3市の80~90代で、除雪作業中に用水へ転落したり、建物の屋根からの落雪に巻き込まれたりしたとみられる。
公共交通機関はダイヤの乱れが相次ぎ、道路では車の渋滞やスリップ事故が続発した。
◇11位 グラウジーズB1復帰
バスケットボール男子Bリーグ2部(B2)の富山グラウジーズ(東地区2位)は5月11日、プレーオフ(PO)準決勝第2戦に臨み、福岡(西地区首位)を104-95で下し、2連勝でB1復帰とPO決勝進出を決めた。
◇12位 氷見でブルーインパルス飛行
第53回ひみまつりが8月2日、氷見市の比美乃江公園であり、能登半島地震からの復興を願い、航空自衛隊のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が青空に映える美しい編隊飛行を披露した。
◇13位 富山地鉄「支援なければ来秋廃線」
富山地方鉄道が鉄道本線の滑川-新魚津駅間と立山線の岩峅寺-立山駅間について、行政の支援を得られなければ2026年秋に廃線にする方針を固めたことが7月30日、分かった。12月24日、行政側が運行費を支援する方針を地鉄に伝え、26年度は全線運行を続けることになった。
◇14位 林曉さん人間国宝
国の重要無形文化財保持者(人間国宝)に、県内からきゅう漆の林曉(さとる)さん(71)=高岡市=が認定された。文化審議会が7月18日、文部科学相に答申した。県在住者の人間国宝は、20年ぶり3人目。
◇15位 新湊曳山 ユネスコ登録
文化庁は11月11日、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産となっている「山・鉾(ほこ)・屋台行事」に射水市の「放生津八幡宮祭の曳山(ひきやま)・築山(つきやま)行事」を含む4県の祭りを加えるなど、日本政府が申請した計6件を追加登録するようユネスコ評価機関が勧告したと発表した。12月11日に正式決定された。
◇16位 庭田氏初当選 参院選
7月20日に投開票された第27回参院選富山選挙区で、国民民主党新人の庭田幸恵氏(57)が19万8300票を獲得し、自民党現職の堂故茂氏(72)ら4人を破って初当選した。比例代表は日本維新の会現職の柴田巧氏(64)の3選が21日決まった。堂故氏は25日、政界を引退する意向を示した。
◇17位 ノロ食中毒 初の警報
県内でノロウイルスによる食中毒が多発しているとして、県は3月5日、初のノロウイルス食中毒警報を出した。2月下旬に富山市のサービス付き高齢者住宅で入居者11人が嘔吐(おうと)の症状を訴え、うち1人が吐しゃ物を喉に詰まらせて死亡するなど発生が相次いだ。
◇18位 田畑氏 公認選考除外 自民富山市連
自民党の次期衆院選富山1区の公認候補となる選挙区支部長選考を巡り、党富山市連は5月20日、現職の田畑裕明氏(52)=5期=について、所属議員や校下支部長らの投票で選考から外すことを決めた。10月には新たな支部長を決める選考委員会を設けた。
◇19位 県内出生 最少5078人
県内の2024年生まれの赤ちゃんの数は23年より434人少ない5078人で、県に記録が残る1925年以降最少だった。厚生労働省が6月4日発表した人口動態統計(概数)で分かった。減少は9年連続。
◇20位 称名滝 やっぱり落差日本一
立山カルデラ砂防博物館が約60年ぶりに取り組む「称名滝」の詳細な地形調査で、落差350メートルに大きな変化はなく、「落差日本一」が揺るぎないことが確認された。一方、新たな滝壺(たきつぼ)ができつつあることなど、一部で地形が大きく変化していることも判明した。