富山市桜谷小学校(富山県富山市田刈屋)で17日、3年生約50人が毎年実施しているセミの初鳴き調査に関する授業が行われ、地球温暖化などに理解を深めた。
調査は、気象庁が2020年でセミの初鳴き調査を廃止したのを受け、富山大学術研究部理学系の和田直也教授(生態学)が、子どもたちにも気候変動について考えてほしいと、同校などと連携して21年から実施している。桜谷小は、富山地方気象台が校区内にあり、調査継続の意味からも重要という。
和田教授は6月、調査対象となるニイニイゼミなど5種類のセミの鳴き声の聞き分け方などの授業を実施。児童はその後、初鳴きを聞いた日時、場所などを記録して9月に提出した。
授業では和田教授が、大学生が他の場所で記録したデータと、児童の記録を分析してグラフ化し、児童に報告。気象台の過去のデータも提示し、地球温暖化で動植物の生態が変化していることを説明した。記録の正確さで表彰を受けた北千夏さん(9)は「毎日の調査は大変だったけど、表彰状をもらってうれしい」と喜んだ。