一般ドライバーが夜間移動の足を担う社会実証運行「夜ノッカル」が12日、富山県朝日町で始まった。自家用有償旅客運送の枠組みを活用して町が実施。タクシーが少ない時間帯のニーズを把握し、公共交通サービスの将来性を探る。初日は1件の予約があった。
町内では、唯一のタクシー事業者が人手不足の影響などで夜間の時短営業を行う期間がある。一方、飲食店の利用客からタクシーを手配できないとの声が挙がっていた。町は今回、事業者の負担軽減と町内経済の活性化を図る試みとして社会実証運行に取り組む。
来年2月1日まで毎週金曜から日曜の午後7~11時に、一般ドライバーが運転する町公用車を2台配備。町内全域を対象に飲食店などと自宅の間を送迎する。当日午後5時までの予約制とし、町が日中に運営するマイカー乗り合いサービス「ノッカル」のLINE(ライン)で受け付ける。
最大3人まで乗車できる。料金は現金払いに限り、2人まで千円、3人だと1500円。事業に登録した町民4人が乗務し、黒東タクシーが運行管理を担う。町商工観光課は「サービスの持続性を検証するため、ぜひ利用してもらい、ドライバーの募集も呼びかけたい」とPRしている。