県内のスタートアップ経営者らでつくる一般社団法人・富山イノベーションベース(IB、長江努代表理事)が11日、県民会館で若手社会人や学生向けの「特別リクルートイベント」を開いた。地域経済を担う次世代のリーダー育成が狙いで、先輩起業家の講演やパネル討論を通じ、リスクを取って新たなビジネスに挑戦する「起業家精神」の重要性を伝えた。

 IBは18府県で組織されている。富山IBは2024年に結成し、若手起業家らが勉強会を重ねている。

 リクルートイベントには約150人が出席した。トークセッションで、ビッグデータを用いたマーケティングサービスを手がけるホットリンク(東京)創業者の内山幸樹氏(上市町出身)と、美容・化粧品の通販サイトを運営するアイスタイル(東京)の会長CEOである吉松徹郎氏が登壇した。

 内山氏は、SNSのビッグデータから消費行動を分析し、企業に提供するサービスなどを手がけてきたと説明。「次の時代を担うロボットやAIのエネルギー源は『データ』。中国のデータを扱う企業を買収したが、失敗もあった」などと語った。

 パネルディスカッションは、全国のIBを統括する一般社団法人の代表理事で、徳島県のIB代表理事の藤田恭嗣氏と、広島、岩手両県のIB代表理事が各県での活動状況を説明した。

 富山IBと連携協定を結んでいる県の新田八朗知事があいさつした。富山IBの理事に、北陸銀行と北日本新聞社が加わったことも紹介された。