文部科学省は、2024年度の問題行動・不登校調査の結果を10月29日に公表した。国公私立の小中学校で年間30日以上欠席した不登校の児童生徒は12年連続で増え、全体の3・9%(26人に1人)に当たる35万3970人と過去最多を更新。小中高校などが認知したいじめは76万9022件、うち身体的被害や長期欠席が生じた「重大事態」は1405件で、いずれも最多だった。(10月29日共同通信配信記事『不登校の小中学生35万人』より)
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12年連続で増加し、過去最多を更新した24年度の不登校小中学生。この5年間で2倍近くに達しました。一方、小中高校と特別支援学校におけるいじめの認知件数も77万件に迫っています。
いずれも少子化で子どもの数が減少している中での急激な増加であり、問題を的確に分析し対策を講じる必要があるように思います。
▽「無理せず」の認識広がる
不登校急増の背景としては、二つ考えられそうです。その一つは、「無理に学校に行かなくてもいい」という考えが社会全体に広がったことです。2017年に施行された教育機会確保法で「休む必要性」が認められ、文科省もこれまでの学校復帰を目指す路線から、学校以外の学びの場や機会を広げる路線へとかじを切ったことが大きいのではないでしょうか。
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