市川團十郎(47)、市川ぼたん(14)、市川新之助(12)が22日、都内で令和8(2026)年1月新橋演舞場公演『初春大歌舞伎』の取材会を開いた。

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 きのう21日に尾上左近が来年5月に歌舞伎座で行われる『團菊祭五月大歌舞伎』で三代目尾上辰之助を襲名することが発表された。辰之助、新之助は尾上菊之助とあわせ「三之助」と呼ばれる。尾上松緑、八代目尾上菊五郎と「平成の三之助」と新之助時代に呼ばれた團十郎は当時を振り返ると「伸び伸びと歌舞伎の勉強をさせていただいた」としみじみ。自身の時代よりも年齢が離れているが「バランスをどう取っていくのか」と心配しながらも「三之助という初代の辰之助のお兄さん、七代目のおじさん、うちの親父が作った文化、今の松緑、八代目、私で背負わせていただいて、各々が大きな名跡を継がせていただいた。来年から、また『三之助』が出る。年の差も関係なく、乗り越えて、新しい『三之助』を作ってもらえて歌舞伎界を盛り上げてくれたら。陰ながら応援しています」と期待していた。新之助も「これからもっと仲を深めて、いつかは同じ舞台に立ちたいと思います」と話していた。

 新橋演舞場では、来年1月3日~27日に、『初春大歌舞伎』を昼夜二部制で開催。昼の部は、ユーモラスなご祝儀舞踊『操り三番叟』から始まり、歌舞伎十八番『鳴神』、そして戦乱の世の無常が胸を打つ時代物の名作『熊谷陣屋』では、團十郎が10年ぶりに源氏の武将・熊谷次郎直実を勤める。昼の部の切には、團十郎が柿色の裃にまさかり髷姿で初春のごあいさつをする『口上』。市川團十郎家に伝わる「にらみ」を見ると、その一年は邪気を払うといわれており、新年に相応しい一幕となる。夜の部では、新之助が初役で主人公の曽我五郎を勤める歌舞伎十八番『矢の根』。河竹黙阿弥作、八代目團十郎によって初演され、受け継がれてきた市川團十郎家所縁の名作『児雷也豪傑譚話』では、團十郎が児雷也実は尾形弘行を初役で勤め、ぼたんが草刈娘実は弘行妹深雪姫役で出演。続いて、新歌舞伎十八番のひとつとして知られる歌舞伎舞踊の大曲『春興鏡獅子』にて、小姓弥生後に獅子の精に團十郎、胡蝶の精にぼたん、新之助という配役で、親子三人の競演が実現。年明けを飾るにふさわしい豪華で雅やかな演目となっている。