富山県南砺市福光地域の有志でつくる「福光千本桜プロジェクト」(武田慎一会長)は16日、同市殿の小矢部川右岸に20本の桜の苗木を植樹した。福光を代表する桜の名所は今回の植樹で名実ともに「千本桜」となり、住民らは来春の開花を楽しみにしていた。
小矢部川両岸に咲き誇る桜は、観音町の老舗料亭「松風樓(しょうふうろう)」の主人が約100年前に植えたのが始まりとされる。以来、有志が両岸に植え続けてきた。上流の小院瀬見から下流の遊泉橋まで約10キロにわたりソメイヨシノやヤマザクラなどが植えられている。
古くから「千本桜」と称されてきたものの、実際には足りず、有志が実現に向けて2021年からプロジェクトを進めてきた。直近で980本余りまで迫っていた。
この日は、地元の東太美地域づくり協議会や殿自治会、福光南部小学校の児童・保護者ら約50人が参加し、ソメイヨシノの後継種と言われる「神代曙(じんだいあけぼの)」の苗木を植えた。
植樹に先立ち、同プロジェクト副会長の細木文夫さん(84)が「20本植えると念願の千本を達成する」、東太美地域づくり協議会の高瀬須美夫会長も「医王山を望む絶景のポイント。子どもたちにとっても記念になる」とあいさつした。参加した同小5年の長谷川真大(まひろ)さんは「咲くのが楽しみ」と話した。