富山県は、富山市新保小学校の5年生から募ったアイデアをもとに、空港スポーツ緑地の「インクルーシブひろば」(同市塚原)に新設する遊具を決定し、11日に同校で児童に発表した。来秋までに設置される予定で、児童は「自分たちの思いが取り入れられてうれしい」「遊んでみたい」と完成を心待ちにした。
インクルーシブひろばは、障害の有無にかかわらず楽しめるよう、ハーネス付きのブランコなどを備えた公園で、県が2023年に整備した。利用者アンケートで「幼児向けが多く、小学生でも遊べる遊具を増やしてほしい」との声があり、県が地元の同小に協力を依頼した。
5年生59人は総合的な学習で障害者らから話を聞いたり、車いすに乗ったりしてインクルーシブの考え方を学習。遊具のアイデアを班ごとにまとめ、県に提案してきた。
新設されるのは、滑り台やトンネルなどを組み合わせたオリジナルの複合遊具と、車いすのまま楽しめるトランポリンの2種類。複合遊具は階段のステップを低くしたり、自分のペースで遊べる音楽系遊具を配置したりと誰もが安全に楽しめる工夫を施した。11日は県の担当者らが同校を訪れ、5年生に最終決定したデザインを示した。
河合素直さん(11)は「自分たちの提案から生まれた世界で一つだけの遊具で、自慢になる。完成したら遊んでみたい」と笑顔で話した。