「佐渡裕(ゆたか)指揮×シエナ・ウインド・オーケストラ演奏会 ブラスの祭典2025」が9日、氷見市芸術文化館であった。ホールを埋めた約800人が、佐渡さんがタクトで織りなすハーモニーに酔いしれた。アンコール曲「星条旗よ永遠なれ」は楽器持参の観客も演奏に加わり、会場一体となってフィナーレを飾った。
公演のテーマは秋らしく「文学」とし、アルフレッド・リード作曲「オセロ」で幕開け。シェークスピアの悲劇の世界をドラマチックに奏でた。後半はヨハン・デ・メイ作曲の交響曲第1番「指輪物語」。トールキン原作の壮大な物語を美しい音色でつむいだ。
公演恒例の「音楽のおもちゃ箱」では、佐渡さんが昨年から練習を始めたサックスを演歌メドレーで披露。観客と一緒に「マンボナンバー5」を歌って踊り、盛り上がった。佐渡さんは「被災地・氷見のことが心配だった。皆さんの笑顔が見られて良かった」と語った。北日本新聞後援。