NHK連続テレビ小説「ばけばけ」で話題の明治時代の作家小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の蔵書を受け継いだコレクション「ヘルン文庫」が、富山大の図書館(富山市)で公開されている。ドラマの放送開始後は来館者が大幅に増えた。文庫を中心に有志による研究や普及活動も盛んで、関係者は「大学の宝だ」と改めて実感する。

 ヘルン文庫は、妻セツや、八雲が来日後最初に英語教師として赴任した松江の人々から「ヘルンさん」と呼ばれていたことに由来する。洋書約2千冊や、晩年の大作「神国日本」の手書き草稿1200枚が残されているほか、怪談「耳なし芳一」の原本とされる「臥遊奇談(がゆうきだん)」も所蔵する。

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