天神様(菅原道真)に柿を供える伝統行事「柿天神(かきてんじん)祭」が25日、富山県氷見市伊勢大町の伊勢玉神社(鈴木瑞麿宮司)であり、甘味を得る貴重な食べ物として民衆に柿を伝えたという道真公の遺徳をしのんだ。

 氏子4町の神社総代と責任役員の11人が水島柿、筆柿、富有柿、さわし柿、早秋柿の5種類をそれぞれ盛った三方を順に手渡し神前に運ぶ「伝供(でんく)」を行った。鈴木宮司が祝詞を奏上し、参列者が玉串をささげた。

 同神社によると、氷見では昭和40年ごろまで一般家庭でも床の間に天神様の掛け軸を飾り、柿を供える「柿天神」があったが、今はほとんど残っていないという。同神社では江戸時代から続き、2008年に県教育委員会の「とやまの年中行事百選」に選ばれている。