生き物の美しさと現代アートが響き合う展覧会「スイゾクテン」が4日、魚津水族館(富山県魚津市三ケ)で始まった。県内外の作家7人が手がけた作品16点が水族館の展示と融合している。来場者は水槽の中で優雅に泳ぐ魚たちと、アートが織りなす不思議な世界を楽しんだ。11月24日まで。
展覧会は魚津市出身の造形作家、グアリノ・アキさん(52)を中心に初めて企画した。アートに触れるきっかけをつくり、普段水族館に足を運ばない人に来場してもらおうという思いを込めた。作家たちは水や水族館をイメージして制作した絵画、写真、立体造形、インスタレーションなど多様な作品を館内のあらゆる場所に展示した。
グアリノさんは段ボールを材料に、ペンギンの骨格をかたどった立体造形作品を出品。長谷川翔吾さん(34)=同市出身=は赤、緑、青色のLEDライトの光を用いて、水槽の中の幻想的な世界を表した。このほかアマガエルの木彫を3Dプリンターで再現した樹脂作品や、波をスローシャッターで捉えた神秘的な写真もある。
黒部市宇奈月町から訪れた橋場佐枝さん(58)は「展示が水族館になじんでいて、いろんなアートがあって楽しい」と笑顔で話した。北日本新聞社後援。