富山県南砺市平地域の世界遺産・相倉合掌造り集落で28日、窓明かりで観光を楽しんでもらう「窓灯(あか)り鑑賞日」が行われた。昨年度に続いて実施し、県内外から訪れた写真愛好家らが情緒的な景色をカメラに収めた。

 相倉集落では住民の生活を守るため、午後5時以降は住民と宿泊者以外は集落に入らないよう求め、ライトアップの日に限り時間外の観光を認めてきた。ただ、近年は暮らしの中の窓明かりに照らされた集落の写真を撮ろうと、時間外に訪れるマナー違反も出てきたため、昨年度初めて窓灯り鑑賞日を設けた。

 午後7時すぎに日が落ち始めると、展望台に集まった写真愛好家は、暗闇に浮かび上がる合掌家屋を収めようと盛んにシャッターを切っていた。

 本年度は6月4日と来年1月のほか、天の川と一緒に撮影したいという声に応えて初めて秋に行う。集落保存財団の中島仁司事務局長は「人が住む世界遺産集落だと理解し、マナーを守って撮影や観光を楽しんでほしい」と話した。