県自然博物園ねいの里(富山市婦中町吉住)は今春、敷地内に生息する動植物の写真をデザインしたカードを作り、来園者のリピートにつなげるなど好評を得ている。自然環境に理解を深めてもらおうと企画し、園内で行うイベントの参加者に配布するなどして活用する。カードに書かれた数字を競い合うゲームも楽しめ、遊びを通じて生き物の魅力を発信する。
同園には、シマヘビやイノシシ、オオガハスなど千種類以上の動植物が生息している。近年、ポケモンカードなどカードゲームが全世代で人気を集めていることから、園内の動植物に関心や親しみを持ってもらおうと、4月からオリジナルカードの配布を始めた。
カードは、縦8センチ、横6センチ。絶滅危惧種のホクリクサンショウウオやベニシジミ(チョウ)といった園内で観察できる15種類をそれぞれ500枚ずつ用意した。生態や特徴のほか、園内で見られる時期も記した。希少性の高さが数値化されており、相手と見せ合って数字の高さを競い合うゲームもできる。
カードは、一種類ずつ一定期間ごとに種類を変更して配る。現在はキビタキという鳥のカードを配布している。ビンゴやクイズなどの催しに参加すると手に入れることができ、今後15種類を配り終えた後、第2弾の制作も予定している。
子どもたちからの反響も大きく、頻繁に来園する人も増えたという。担当者は「カードを通じて、自然の大切さを伝え、環境問題に意識を向けてもらいたい」と話す。