富山県朝日町宮崎のヒスイ海岸観光交流拠点施設「ヒスイテラス」に3日、新たなスイーツ店がオープンする。LEDを活用した水耕栽培装置の開発を手がけるPBS(同町草野)が出店し、糖度の高いメロンを使ったソフトクリームなどのスイーツを提供。6次産業化の新たな農業ビジネスを確立するとともに、全国に誇る観光スポットを目指す。
PBSは、環境・防災機器製造のポエック(広島)の子会社。町内に整備した植物工場でレタスやメロンの水耕栽培を昨年春から本格的に始めた。玉川大との共同研究によって独自開発したLED技術などを栽培に生かし、ビタミン含有量や糖度の高い作物の収穫に成功した。
毎月約120個のメロン生産が可能になったことから、販売事業にも取り組もうと今回出店。ヒスイテラスで飲食事業者の出店を求める町の公募に手を挙げた。生産から加工、販売まで一貫して行う6次産業化を実現した形だ。
店名は「今日もかえりたい。~Melon et Cafe~(メロン エ カフェ)」で、ヒスイテラス2階にキッチンスペースを構えた。一株に一つしか実を付けない栽培方法で糖度16度以上に仕上げた実を使い、「春の四重奏パフェ」や「翡翠(ひすい)メロンフラッペ」などと銘打って販売する。カレーやドリンクなどの軽食も提供する。
関係者向けのオープニングセレモニーが2日、現地であり、PBSの西原政博社長が「ヒスイ海岸に人を呼び込める店になればうれしい」とあいさつ。笹原靖直町長が出店を歓迎し、ポエックの来山哲二会長(富山市出身)が「富山と広島がつながったご縁に感謝し、温かく迎えてくれた朝日町に少しでも恩返ししたい」と祝辞を述べた。
出席者がテープカットし、濃厚な味わいのメロンを皮ごと盛り付けた商品を試食した。