阪神淡路大震災で被災した神戸市在住の西口進一さんが県中央植物園に寄贈した「希望のカトレア」が3日、富山市婦中町上轡田の同園で開花した。見頃は10日間ほど続く。

 カトレアは同日朝、三つ全てのつぼみで、ピンク色の大きな花を咲かせた。園内のサンライトホールで展示している。開花は本来、1月中旬ごろだが、昨夏の猛暑が長引いた影響で、花芽の生育が遅れ、約1カ月半ずれたという。

 希望のカトレアは、地震による停電で栽培に必要な温度の10度を下回っても、奇跡的に花を咲かせ続けた。西口さんは震災後に株分けし、能登半島地震の被災者を元気づけようと、今年1月に同園に贈った。

 温室課の早瀬裕也主任は「花の生命力を感じてもらいたい。震災を風化させたくないという西口さんの思いの一助になれば」と話した。