サッカーJ2カターレ富山は2日午後2時から、県総合運動公園陸上競技場で甲府とのホーム開幕戦に臨む。前節は千葉に完敗し、J2で戦う上での課題が攻守で浮き彫りになった。11年ぶりのJ2復帰で、期待が高まる地元サポーターの前での初陣。何としても連敗は避けたい一戦で、小田切道治監督は「いつも以上に超アグレッシブに戦う」と語る。

 富山は、愛媛との開幕戦は1-0で勝利。第2節の千葉戦は0-2で敗れ、アウェーでの開幕2試合を1勝1敗で終えた。

 実力上位の千葉との一戦は強い圧力に押され、ボールを終始支配された。連係やパスのミスが目立ち、攻撃のリズムをつくれなかった。ただ、相手に臆してか必要以上に消極的になる場面もあり、FW松田力は「ファーストプレーで面食らった。相手のプレッシャーにびびり過ぎていた」と振り返る。

 苦い結果にも、シーズン早々にスピードやプレー強度などに優れる強豪のプレーを肌で感じられたことは若いチームにとってプラスだ。FW碓井聖生(しょうせい)(上市町出身)は「J2で通用する部分と、しない部分が分かってきた。自分の中で整理している」と話す。

 富山は第2節を戦った22日以降も千葉に残って練習。甲府戦に向け、守備の連係や戦術のすり合わせを行った。小田切監督は「いつもの前に行くアグレッシブではなく、それを越す勢いの『超アグレッシブ』を見せたい」と力を込めた。

 J1経験のある甲府は昨季、J214位と低迷した。リーグ6位の54得点を挙げた一方、57失点と守備に課題を残した。今季は新加入の14人を迎え、守備の立て直しと攻撃の強化を図った。

 開幕戦は山口に1-0で勝利し、第2節の大宮戦は0-1で敗戦。2戦とも昨季まで富山でプレーしたFWマテウスレイリアがワントップで先発した。甲府のアカデミー出身で富山のMF末木裕也は「昔からFWに強力な選手がいて、ワンチャンスをものにするチーム」と警戒する。

 富山は昨季、ホームで11勝7分け1敗と抜群の強さを見せた。実績ある相手にもひるまず、落ち着いた試合運びで主導権を握りたい。

 クラブは2009年以来のリーグ通算来場者数100万人まであと8674人とし、甲府戦で来場者1万人を目指す。2月24日にはボランティア約400人が県総合運動公園陸上競技場の除雪作業に汗を流し、戦いの舞台を整えた。碓井は「恩返しするには勝利しかない。富山県民として得点したい」と誓った。