富山県氷見市は3日、能登半島地震の被災者向けに栄町と北大町に整備する災害公営住宅2棟の概要やイメージ図を示した。コミュニティーづくりの拠点となる集会室は2階に配置し、屋上に一時避難所の機能を持たせる。

 同日の市議会能登半島地震復旧・復興対策特別委員会で説明した。災害公営住宅は2棟とも鉄筋コンクリート3階建て21戸。回廊は一時避難スペースとして活用できるほか、エレベーター1基や戸数分の物置と駐車場を備える。

 栄町の旧栄町医師住宅敷地に整備する1棟は延べ約2120平方メートルで2DK(56平方メートル)12戸、3DK(68平方メートル)9戸。事業費は8億4500万円。

 北大町の比美乃江小学校サブグラウンドに整備する1棟は延べ約2020平方メートルで2DK(59平方メートル)12戸、3DK(66平方メートル)9戸。事業費は8億3千万円。

 市は今後、栄町の旧医師住宅2棟の解体や地盤調査、詳細設計を進める。今年夏に着工し、来年秋までの入居開始を目指す。

 入居要件は、住宅が半壊以上で解体した世帯。市によると、1月17日現在で62世帯が入居を希望し、このうち公費解体申請済みは整備する計42戸を上回る43世帯となっている。このほか、67世帯が「まだ決められない」と回答している。

 市は意向確認を進めるとともに、3月末に公費解体申請期限を迎えることから、4月以降に3棟目を整備するかどうか判断する。