立山黒部アルペンルートで運行してきた国内唯一のトロリーバス「立山トンネルトロリーバス」が30日、ラストランを迎えた。バスが発着する室堂駅には全国からファンが詰めかけ、最後の雄姿を見届けた。

 トロリーバスは、立山トンネル内の室堂(標高2450メートル)-大観峰(同2316メートル)間、3・7キロを約10分で結んでいた。8両が稼働していたが、交換が必要な部品の調達が困難になり、運営する立山黒部貫光が廃止を決めた。1996年の運行開始以来、延べ約1992万人が利用した。

 30日はアルペンルートの今季営業最終日で、午後3時発の最終便4両に約200人が乗車した。ホームに「29年間ありがとう さよなら『トロリーバス』」と記した横断幕が掲げられた。警笛に合わせて定刻通り出発すると、社員らが手を振って見送った。乗客は車窓の様子をカメラに収めていた。

 2025年から同区間は電気バスが運行する。