僕はほぼ毎年、年明けの瞬間を山の上で迎えています。今年の越年登山は、北アルプスの蝶ケ岳(2677m)へ1週間ほど出かけました。撮影目的の山行ですが、年末年始は登山者も多く、雪道のトレースが期待できるからでもあります。山小屋は冬季休業中ですので、当然テント泊です。出発直前まで何度も天気予報や予想天気図をチェックして計画を詰めていきました。年明け以降は冬型の気圧配置が続きそうでしたので、比較的入山しやすい常念山脈の蝶ケ岳にしました。

 初日の出も、予報では見られるか微妙でしたが、年が変わったころから風も少し落ち着き、八ケ岳連峰にかかる雲の上から顔を出すのを拝むことができました。山頂でマイナス15度、加えて風速がときに15m以上と、厳しい撮影になりました。

 正月で思い出すのは、一昨年元日に発生した能登半島地震のことです。今回のコラムでは、僕が山で遭遇した地震についてお話ししようと思います。

 ▽奥穂高の山頂も揺れた

 2024年1月1日午後4時10分の能登半島地震発生時、僕は奥穂高岳(3190m)頂上にいて、強い揺れを体感しました。

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