2025年に邦画実写映画の歴代興行収入1位の記録を22年ぶりに塗り替えた「国宝」。やくざの家に生まれた主人公が数奇な運命をたどりながら歌舞伎の道を究めていくさまを描く、約3時間(175分)の大作だ。大みそかに東京・歌舞伎座で特別上映会が開かれるなど、公開から半年以上たっても話題は尽きない。

 6月6日の公開直後の週末の観客動員数は3位だった。一転して、破竹の勢いで大ヒットへと向かった背景の一つが口コミだ。

 X(旧ツイッター)ではどんな口コミが広がったのか。「コスパ」や「タイパ」が重視され、ショート動画に人気が集まる時代に、長尺の「国宝」がなぜ人々の心をつかんだのだろうか。Xのデータを分析すると、長い上映時間がポジティブに捉えられるようになった過程が見えてきた。(共同通信データ取材班)

 ▽「一般の人」の発信に存在感

 分析には、NTTデータのSNS分析ツール「なずきのおと」を利用した。解析対象期間は、公開前の2025年4月1日から11月30日までに設定。映画「国宝」についての内容だと判別できるよう、出演者の名前(吉沢亮さん、横浜流星さん)などと組み合わせてポストを抽出。この間の「国宝」関連の総ポスト数(リポストと引用ポストを含む)は約210万件に上った。

 どんな人が投稿していたのか。調査期間中、1日最大約1万件を抽出し、リポスト、引用されたアカウントを解析。上位200についてプロフィルや投稿内容を確認し、「PR」「メディア」「一般の人」などに分類した。

 200のうち、映画や俳優の公式アカウントといった「PR」に類するアカウントが占める割合が44・9%と最多。続く2位が、「一般の人」のアカウントの25・4%で、映画情報サイトや雑誌、新聞など「メディア」のアカウントが23・3%だった。一般の人が感想や思い入れなどを語る発信が存在感を持っていたことが分かる。

 ▽「100億」「歴代1位」節目に復調

 調査期間中に「国宝」に関連して頻出したワードについても、1日最大約1万件を抽出して解析した。

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