日本に住む外国人が急増している。国の研究機関の推計では、2070年に外国人が総人口の10・8%を占めるようになる見通しだ。こうした中、住民基本台帳のデータから全国の自治体の外国人住民比率を計算したところ、27市区町村では今年1月時点で既に10%を超えていたことが分かった。比率トップは北海道占冠村の36・6%だ。
全国レベルでの1割社会の到来時期は2070年から早まる可能性も出ている。「外国人1割社会」では、いったいどんな生活が待っているのか。未来を先取りした地域を歩いてみた。(共同通信=渋谷菜七、鈴木快生、大根怜)
▽急増に戸惑いも
伊勢湾を望む人口4713人の愛知県飛島村。今年1月時点で人口に占める外国人の割合は10・6%(501人)に達し、全国有数の大きさだ。仕事が終わる夕方ごろに通りを歩くと、作業服を着て自転車に乗る外国人たちとすれ違う。休日は路線バスの乗客の半数近くが外国人のこともある。
「ここ数年で一気に増えた」。住民はこう口をそろえる。安定した雇用の確保に悩む中小企業の頼みの綱として、技能実習や特定技能の資格で工場などで働く人が急増したとみられる。中古車販売に携わる外国人も増えている。
住民の反応はさまざまだ。
農家の女性(54)は好意的に受け止める。「庭の手入れに外国人が来てくれた。気持ちのいいあいさつをして、一生懸命働いてくれた」と話す。農家の男性(78)も「外国人が急激に増えたが、特にトラブルは感じたことがない」
一方、中には車のマナーなどを守らない外国人がいるとして不満を抱く住民もいる。
自営業の女性(75)は「人手不足で、働いてくれるのはありがたい」としつつも「日本のルールを学ばない外国人が増えるのではないかと不安」と吐露する。無職の女性(83)は「環境が急に変わっていくことが何となく怖い」と急増への戸惑いも口にした。
それでは、実際に外国人労働者が働く現場に行ってみよう。
▽毎月12万~15万を仕送り、自分で使うのは数万円
名古屋港にほど近く倉庫や工場が立ち並ぶ地区を抜けると、のどかな田園に囲まれたトビシマ製作所がある。冷熱機器の部品製造を手がけ、従業員21人のうち4人が技能実習や特定技能の資格で働くベトナム人だ。