NHKは21日、再来年春に放送する2027年度前期の連続テレビ小説のタイトルが『巡(まわ)るスワン』に決定したことを発表した。ヒロインは森田望智(29)、脚本はバカリズム(49)が務める。

【写真】華やか…!朝ドラヒロイン・森田望智&脚本はバカリズム

 同日にNHK内で行われた会見でバカリズムは「今回は警察署が舞台なんですが、よくドラマの題材にされる刑事課ではなくて生活安全課。聞いたところによると生活安全課という部署はほとんどドラマの題材になったことがないらしく。なんでなってないのかと聞くと警察署の中で唯一、事件を未然に防ぐ部署なのでドラマになるような事件が起こりにくい。起こらないことが成果なので。だからなかなかドラマにされたことがない。僕はそこに魅力を感じまして生活安全課を舞台にドラマを書かせていただくことになりました」と説明。「書き始めてないので、どうなるかわからないですけど、とりあえず締め切り厳守で頑張っていきたいと思います」と意気込んだ。

 昨夏前にオファーを受けたそう。長期の脚本となり、バラエティーなどの仕事との両立ができるのか熟考したという。「なかなかこんなチャンスはないですし。僕にオファーが来ること、芸人が朝ドラの脚本を書くという現象が、ちょっと面白いなと思いまして。せっかくなのでやらせていただきたいなって」と振り返る。そこから設定をいくつも提示。「何十個もいろんな設定を。ちょっとファンタジーな設定だったりとか。それを半年持たせるのに、しっくりこなくて。10話だったら割と突飛な発想だったり、ファンタジーな設定でやれるんですけど。半年は僕も初めての経験。なんやかんやあって最終的に日常を描こうと着地しました」と話して笑わせた。

 また、年末年始はしっかり休み、年明けから本格的に執筆をスタートさせるそう。心がけることは「締め切り厳守です」ときっぱり。「僕が演者側として本が遅れている、本が届かないことをによって困らされることがこれまでにもありました。そういう現場は、脚本を書いている人は悪口を言われたりするんですよ。それを目の当たりにしている。こんなことを言われるなら絶対に締め切りを守ろうと思いました(笑)。現場全体に迷惑が掛かり、クオリティーも下がる。絶対に守ろうと思っています」と固く誓い、森田も爆笑だった。

■ヒロイン・森田望智の役柄
元々、「将来は地元で公務員になりたい」くらいの気持ちだったが、大学生の頃たまたま再放送されていた刑事ドラマを見て「自分も犯人を逮捕してみたい」と思い、警察官を志す。現在は、長野県警佐和警察署の生活安全課に勤める巡査長。社会人としてごく普通の常識と倫理観を持ち業務をこなし、休日には地元の友人とランチや買い物に行き、たまに愚痴をこぼしたりしながらストレスを発散する、どこにでもいそうな20代後半の女性。

■物語
長野県佐和市で生まれ育った主人公は、警察学校を卒業後、交番で経験を積み、現在は故郷の長野県警佐和署生活安全課で警察官として働いている。生活安全課の使命は、市民からの相談対応を通じ、事件を未然に防ぐこと。扱うのは、悪徳商法、不法投棄、行方不明者、少年非行、DVやストーカー、風俗営業の許認可、防犯啓発活動など多岐にわたる。

刑事に憧れて警察官となったが、犯人を逮捕したことはなく防犯イベントで犯人役として逮捕されてばかり。新聞もテレビも取り上げない地味な仕事に不満は感じつつも、佐和署生活安全課の個性的な上司や先輩、後輩たちと真面目に業務に取り組んでいる。

休日になると、高校の同級生とカフェや旅行に行ったり、自宅でたこ焼きパーティーを開いたりと普通のOLと変わらない時間を過ごしている。このひとときが大切なストレス発散の時間だ。しかし、友人の車の助手席に座っていると、パトカーでの癖が出てしまいつい安全確認をしたり、バックの誘導をしそうになったりすることもある。

そんな日々を重ねながら、異動で警察署が変わっても生活安全課の警察官としての経験を積み、やがて地域に信頼される存在となっていく。年月を経て佐和署の生活安全課長となった主人公は、佐和湖に浮かぶ白鳥号を見つめながら思う――「今日も何も起こらなかったな」
※佐和市は、長野県諏訪市など諏訪湖周辺をイメージした架空の町。