ミニシアターブームの火付け役となった映画「バグダッド・カフェ」のミュージカルが12月13、14の両日、県民会館で上演される。言語や文化、人種を超えた女性同士の友情と人々の再生を描くストーリーで、日本では初演となる。主要キャストは「ポップなコメディー要素も多くありつつ、人と人との絆の素晴らしさを感じられる作品。ぜひ足を運んでほしい」とPRしている。
物語は、ドイツ人の旅行者・ジャスミンが米西部にある「バグダッド・カフェ」にたどり着くところから始まる。カフェを切り盛りするブレンダやそこに集う人たちはジャスミンとの出会いを通じ、抱く心情や日常にさまざまな変化が生じていく。
原作映画は1989年に日本で初公開されると記録的なロングランを果たし、当時のミニシアターブームのきっかけとなった。2024年に4Kリマスター版が公開されるなど、現在に至るまで多くのファンを引きつけてきた。テーマ曲「Calling You(コーリング・ユー)」はアカデミー賞歌曲賞にノミネートされ、多数の歌手にカバーされる名曲だ。
ミュージカル公演に向け、東京・日比谷のシアタークリエで演出家の小山ゆうなと共に取材に応じたジャスミン役の花總(はなふさ)まりは「やっぱり友達っていいなと思えるすてきな作品です」と紹介し、ブレンダを演じる森公美子は「コメディーでありつつ人間関係について考えさせられる内容。多くの人に楽しんでほしい」と期待した。
公演は東京、愛知、大阪を巡演し、富山でフィナーレを迎える。(吉本佑介)
◆公演案内◆ 12月13、14の両日とも正午開演。チケットは全席指定で、指定席1万3千円、U-25引換券5千円。アーツナビやアスネットカウンターなどで取り扱っている。県民会館と北日本新聞社主催。東宝製作。問い合わせは北日本新聞社事業部、電話076(445)3355(平日午前9時~午後5時)。