砺波平野の散居景観を象徴する屋敷林の保全に向け、剪定枝(せんていし)を無料で回収する「秋のリサイクル大作戦」が8日、富山県砺波市の高道グラウンドで始まった。多くの市民が、大量の枝を軽トラックなどに積み込んで運び入れた。初日は10トンダンプトラック18台分が集まった。9日も行われる。
リサイクル大作戦は、屋敷林所有者の経済的な負担を減らし、法律で禁止されている野焼きを防ごうと、市が2021年から春と秋の年2回実施している。
この日は、午前8時半の開始前から長い車列ができ、市民が次々と軽トラックや自家用車からマツやヒイラギ、柿などの枝や、スギの枯れ葉「スンバ」を降ろしていった。市農地林務課によると、延べ1469台が運び込んだ。
収集した剪定枝は、木材加工・住宅建築の「チューモク」(南砺市)が堆肥やバイオマス発電の燃料としてリサイクルし、活用する。
1人暮らしや高齢者宅の剪定枝を地域の自治会メンバーらがまとめて運ぶ姿もあった。4軒分を2台の軽トラックで3往復して運んだ秋南地区の副自治会長、魚誠市さん(62)は「地域で助け合いを続けていきたい」と話した。
砺波高校の環境改善委員会や有志の10人がボランティアで運営に協力。枝を運んだり、受付で地区名を確認したりした。小幡寛人さん(2年)は「喜んでくれてやりがいがあった。活動を通してふるさとの風景が残っていけばいい」と笑顔を見せた。