富山大大学院医学薬学研究部博士課程4年の四方雅隆さんと横浜市立大などの研究チームは15日、急性期病院において糖尿病専門医がいる施設はそうでない施設に比べて、糖尿病の持病がある大腸がん患者の術後の合併症リスクが低いとの調査結果を発表した。
急性期病院では入院患者の多くが糖尿病を抱え、血糖値の管理が重要であるものの、専門医の有無と術後の合併症リスクとの関連を示す研究はなかった。
今回の調査は手術の症例が多い大腸がんを対象に実施。全国の887医療施設のうち、専門医がいる施設はそうでない施設に比べ、術後の合併症のリスクは0・86倍だった。
戸邉一之富山大特別研究教授は「手術後の患者のQOL(生活の質)を高めるため、糖尿病専門医と外科医が連携して血糖コントロールをすることが重要」と話した。
研究成果は8月、国際専門誌に掲載された。今後は胃がんや肝臓がんを対象に調査を実施する。