富山県水墨美術館で開催中の企画展「どうぶつ百景-江戸東京博物館コレクションより」の閉幕が21日に迫る中、多くの美術ファンらが会場を訪れている。19日は北日本新聞ウェルプラス倶楽部の会員が鑑賞し、江戸時代の人間と動物の関係に理解を深めた。

 企画展は東京都江戸東京博物館の所蔵品から、動物が題材となった江戸時代以降の浮世絵や工芸品などを展示。前後期で計約230件を紹介している。

 この日は若松基(もとい)学芸員が展示を解説した。江戸の町を描いた絵に登場する馬について、わらじを履いた様子から大事に扱われていたことが分かると説明。「作品をかわいい、きれいと思って眺めつつも、なかなか考えさせられる展示になっている」と語った。

 砺波市庄川町金屋の助産師、松原久代さん(68)は「時代が変わっても、人が動物をかわいがる気持ちは変わらず、関わり合いながら暮らしてきたことが分かった」と話した。

 開館時間は午前9時半~午後6時(入室は午後5時半まで)。問い合わせは県水墨美術館、電話076(431)3719。同美術館と北日本新聞社でつくる実行委員会、県など主催。

20日ギャラリートーク、動物の浮世絵紹介

 「どうぶつ百景」展に合わせたギャラリートークが、20日午後2時から県水墨美術館で行われる。富山市佐藤記念美術館の川上貴裕主幹学芸員が展示作品について語る。

 佐藤記念美術館では10月に、テーマが近い特別展「動物たちの浮世絵展」を予定しており、担当する川上さんが動物が描かれた浮世絵を紹介する。