富山県の高岡商工会議所は2日、高岡商工ビルの2階ロビーに、能登半島地震で被災し、公費解体されることとなった同商議所伏木支所の歴史を伝える常設展示コーナーを開設した。建物は明治期に建てられた国登録有形文化財で、地域に親しまれた。建築の特徴や支所の歩みをパネルやモニターで紹介している。
建物は1910(明治43)年に伏木銀行として建てられた。土蔵造りに洋風の意匠を取り入れたモダンな外観で、73年に同商議所が取得した。
伏木支所として長年使用してきたが、能登半島地震で外壁のタイルが剥がれて亀裂が入り、内壁も崩れた。液状化被害で建物が傾いたこともあり、同商議所は修復を断念。9月下旬以降に公費解体されるという。
常設展示コーナーでは、歴史や文化的価値の説明パネルのほか、実物の柱や文化財認定の銘板プレートを紹介。タッチパネル式のモニターも設置し、見学者が建物の内外観の画像や図面を閲覧できるようにした。
伏木支所は震災後、氷見伏木信用金庫伏木支店内に移転した。