富山県南砺市利賀村上畠の交流施設「瞑想(めいそう)の郷(さと)」は9月2~8日、祈りや平和をテーマにしたイベント「ヒフミヱ」を開く。期間中は、広島県・宮島で1200年以上守られている聖火「消えずの火」が分灯され、施設内の曼荼羅(まんだら)の前に設置される。聖火を用いた護摩焚(た)きや火渡り神事などもあり、来場者が心静かに平穏や健康を願う。
消えずの火は、弘法大師・空海が806年に宮島で護摩修行を行った際にともした火が起源。広島平和記念公園の「平和の灯」の種火としても使われている。
イベントは、瞑想の郷を世界平和を祈る場所として発信しようと、初めて企画した。中尾英力(ひでさと)館長(53)が、消えずの火を守り伝えている宮島最古の寺院「大聖院」や、2021年に分灯を受けた弘法寺(東京)の関係者と交流があり、打診したところ了承を得た。
2日に井桁に組んだ木や護摩木を燃やしてお経を唱える「柴燈護摩(さいとうごま)」を実施。僧侶らが諸願成就や世界平和を祈る。燃え尽きた火の上をはだしで歩き、心身のけがれをはらう火渡り神事もある。
3日以降は霊湯茶会や、イラン発祥の打弦楽器・サントゥールや神楽太鼓の演奏会、ヨガ体験などがある。
中尾館長は「古来からつながれてきた思いを感じてもらい、来場者の未来が広がるきっかけになればいい」と話している。