男女共同参画週間(23~29日)に合わせ、作家や有識者が28日、県内各地で講演した。参加者が性別に関係なく、能力や個性を発揮できる社会について理解を深めた。

女性の「リアル」語る 富山で山内マリコさん講演

 男女共同参画について学ぶイベント「サンフォルテフェスティバル」は、富山県富山市の県民共生センターで始まった。初日は、作家の山内マリコさん(富山市出身)が講演し、女性を取り巻く環境について語った。7月26日まで。

 山内さんは、小説を書き始めた2000年代は「結婚が女性の幸せ」という考え方が残り、「女性作家は異性愛を描くべき」とされる時代だったと振り返る。30代でフェミニズムの考え方と出合い、女性であることについて改めて考えるようになったと語った。芸能界などで近年、性加害問題が取りざたされる中、性暴力のない世界を目指して声明文を出すなどの活動を行っていることも明かした。

 後半では、社会学者の上野千鶴子さん(上市町出身)と共に7月出版する著書「地方女子たちの選択」(桂書房刊)を紹介。同著に協力したフリーライターの藤井聡子さん(富山市)も登壇し、富山出身・在住の女性たちのリアルを伝えた作品の執筆エピソードなどを語り合った。

 県部門功労の表彰などもあった。会場では期間中、男女共同参画に関わる団体の活動を展示で紹介する。県内の女性団体や県女性財団などでつくる実行委員会主催。

個性認め合う社会を考える 高岡で企画講座

 高岡市男女平等推進センターは、「男女共同参画週間」企画講座を同市のウイング・ウイング高岡で開いた。富山国際大子ども育成学部の彼谷環教授が講師を務め、約20人が個性を認め合う社会づくりについて考えた。

 彼谷教授は、男女平等の実現度合いを数値化した「ジェンダーギャップ指数」について触れ、日本は148カ国中118位にとどまっている現状を説明。「特に政治分野は厳しく、昨年の指数より低くなっている。真剣に考えていかなければいけない」と指摘した。

 県男女共同参画推進員高岡連絡会は同週間に関するチラシを高岡駅南北通路で配布した。同センターは30日までパネル展示や図書紹介を行っている。